・脱炭素でよく使われる言葉との関連がわからない!
・身の回りのどのような場面で使われているの?
「脱炭素:カーボンニュートラル」に関する解説になります!
ニュースなどで聞く日は無い「脱炭素:カーボンニュートラル」という言葉。
言葉だけ一人歩きしていて、結局のところ何かわからないということありませんか?
また生分解性、再生PET、バイオマスプラスチックなど、
他の言葉も氾濫していて、なにが何やら・・・
わかりやすくまとめてみました!!
このページでは、脱炭素:カーボンニュートラルについて
・脱炭素の意味(定義)は?
・カーボンニュートラルって?
・生分解性などとの関係性は?
の大きく3つに関して具体的にお話したいと思います。
(少々長めの記事なので、興味のある所から読み進めてください。)
脱炭素の意味とは?
そもそも、脱炭素とは何なのでしょうか。
この言葉だけでは、炭素から脱する:炭素を除去するという意味に聞こえますが、
化学目線的に炭素を無くすこと絶対にできません。
なぜなら、身の回りの物の80%以上の物にはすべて炭素が使われているから。
では、脱炭素の定義を確認してみましょう。
厳密な定義は見つかりませんでしたが、一番わかりやすい説明として、環境省の脱炭素ポータルには
カーボンニュートラルについて以下のような記載があります。
「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする(※)、
すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」
※「排出を全体としてゼロ」とは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量から、
森林などによる吸収量を差し引いた、実質ゼロを意味しています。
参考ページ:https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/ (環境省:脱炭素ポータルより)
定義内で重要な言葉は二つだと感じました。それは、
①温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする
②森林などによる吸収量を差し引く
の二点になります。
温室効果ガスって?
まず①の「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」関してですが、
そもそも温室効果ガスって何なのでしょうか。
温室効果ガスとは二酸化炭素やメタン、フロンガスなど色々な物質が含まれます。
これらの物質が空気中にたくさん排出されると、空気の熱が宇宙に逃げないため
地球が温まる=地球温暖化が進むといわれています。
イメージ的には、地球にとっての温室効果ガスは厚手の服みたいなものになります。
つまり、脱炭素を行う理由は
「温室効果ガスを減らして、地球温暖化を防止する」
というわけですね!
近年では、この温室効果ガスによって地球の温度が少しづつ上昇していて、
南極の氷が溶ける、海水の温度が上昇して異常気象が多発するなど
色々な問題が発生しているといわれています。
ただし、温室効果ガスの80%以上が二酸化炭素である(*1)ことから、
このページでは以降、「温室効果ガス=二酸化炭素」としてお話させてください。
因みに、二酸化炭素とは、一番身近なものでいえば炭酸水でシュワ!っとするあれです。
なので、人間の体にめちゃくちゃ害があるとは言えないものになります。
基本的に、物を燃やしたりするときに必ず出る物で空気の約0.04%程度含まれている物質になります。
つまり、毎日ほんの少しずつ息をするときに吸っているわけですね!
*1)「カーボンニュートラル」って何ですか?(前編)~いつ、誰が実現するの?:
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_neutral_01.html
(経済産業省資源エネルギー庁)
脱炭素を言い換えると!?
ここまでの話から、温室効果ガスの排出≒二酸化炭素の排出であることは
わかって頂けたでしょうか。
これらのことより、脱炭素は言い換えると
という意味と考えれば、意味がはっきりすると思います。
脱炭素と書くため非常にわかりにくくなっていますが、
単純に二酸化炭素の排出を無くそう!!というだけだったのですね。
因みに、2000年ぐらいに良く言われていた「二酸化炭素排出を減らそう!」の
言い換えでもあります。この時はただ減らすということしか言っていませんでしたが。。。
ただし、上記だけでは不十分な部分があります。
それが②森林などによる吸収量を差し引くという部分になります。
実は、この部分をちゃんと含めて示しているのが脱炭素とともに良く用いられる
「カーボンニュートラル」という言葉であると思います。
カーボンニュートラルとは?
二酸化炭素を排出しない!というのは簡単ですが、現実的には不可能です。
なぜなら、人が何かをするためには必ず熱エネルギー(例えば火)が必要だからです。
毎日のご飯をつくる際に火がないと困りますよね。
電気でいいじゃん!と思うかもしれませんが、現時点では電気も大半は
火力発電といって、火を使っているので、電気も火がないと使えません。
そこで、カーボンニュートラルという考え方が重要になります。
「二酸化炭素の排出量=植物の光合成などによる二酸化炭素の消費」にする
植物は光合成をおこなう際、二酸化炭素を使用して酸素を生み出すことができます。
これを利用して、人が生きていくのに出す二酸化炭素量と
植物などが光合成をするときに使用する二酸化炭素量を同じにすれば、
問題ないという考えになります。
わかりにくい方は、人間が出した二酸化炭素を植物が食べてくれるイメージが良いと思います。
二酸化炭素は排出されるものの、植物が食べるため全体としてはゼロ(ニュートラル)になります。
つまり、温室効果ガスは排出されず、地球温暖化を防止することができます。
実は地中に埋めるや空気中の二酸化炭素を消費して化学品をつくるなどもありますが、
少しややこしい話なので、今回は省かせてください。
ただし、現時点では植物が食べてくれる二酸化炭素量より人間が排出する二酸化炭素の方が
圧倒的に多いため、「脱炭素」という言葉通り二酸化炭素排出からの脱却が必要というわけですね。
生分解性と脱炭素との関係性は?
では、脱炭素という言葉とよく一緒に使用される
「生分解性」「再生PET」「バイオマスプラスチック」
これらと脱炭素との関係性はどのような物なのでしょうか。
ここでは、簡単にさわりの部分だけお話させていただきます。
生分解性
生分解性に関しては、脱炭素との関連性は若干低いです。
マイクロプラスチックなど生態系への負荷を低減するのが目的になります。
ただ、一部コンポストで使用という考え方では脱炭素に関係します。
コンポストとは、堆肥化という意味で微生物によって分解する土のイメージでよいと思います。
基本的に、物を捨てる場合は燃やすor埋め立てを行う方法が一般的です。
燃やす場合は上でも書いた通り二酸化炭素が発生します。
また、埋め立てを行う場合でも海までもっていくために車を使用するため、
車がガソリン車であれば、その場合でも二酸化炭素は発生します。
一方、生分解性を持ち土などですべて分解される場合は
家で土の中に埋めるだけで跡形もなく分解することが可能です。
(まったくなくなるものは100%生分解性があるものに限る)
これはマイクロプラスチックのように、ただ小さくなっているわけではなく、
他の物質に変換されているため、土の栄養となります。
物を燃やしたり、埋め立てたりしないためそこで発生する二酸化炭素を減らせるため、
脱炭素と関係性があるといえます。
再生PETと脱炭素との関係性は?
再生PETに関しては、脱炭素との関係性が高いものになります。
これは、PETボトルをイメージされるとわかりやすいかもしれません。
PETボトルは基本的に石油から作られています。
当然、PETボトルをつくるためには色々加工が必要であるため、
大量の二酸化炭素を排出して作られてきました。
再生PETとは、一度作られたPETを他で再利用する試みです。
使用したPETボトルをちゃんと分別し、一度溶かして再度成型することにより、
他の製品(2*)に生まれ変わることができます。
当然、再利用するためにはエネルギーが必要なので
まったく二酸化炭素を排出しないわけではないですが、
PETの再利用の方が一から作るよりエネルギーが必要ではない
⇒二酸化炭素の排出量が減る
また、ゴミを減らすという観点からも普通に捨てるよりは環境にやさしいものになります。
(2*)再生PETで他の製品になる具体例
フィルム、服などのまとめ
https://www.petbottle-rec.gr.jp/basic/product.html
(PETボトルリサイクル推進協議会)
実際の製品:エコバック
https://www.trans.co.jp/column/originalgoods/saiseipetoriginalecobag/
(株式会社トランス)
*バイオマスプラスチックと脱炭素との関係性は後日作成いたします。
少々お待ちいただければ幸いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。少しまとめが長くなりました。
現在、最も耳にする言葉の一つである脱炭素、カーボンニュートラルに関してまとめてみました。
正直、個人的には脱炭素という言葉はあまり好きではありません。。。
やっぱり意味がわかりにくいと思います。
ただ、理解はしやすいとは思いますので、ぜひ理解したうえで使用してください!
今後も少しずつではありますが、環境にやさしい素材(生分解性や再生PETなど)を
まとめていきますので、ご興味ある方はそちらも確認お願いいたします!!
参考にさせていただいたページはリンクにて紹介しております。
問題等ございましたら、お問い合わせよりご連絡下さい。内容を削除させていただきます。
また、更新日時点での内容となりますため、内容が変わることもございます。
ご理解のほど、よろしくお願いいたします。